ARグラス【XREAL Air 2】特徴や対応機種、周辺機器について解説!

AR/MRデバイス界隈では、2024年2月2日に米国で発売された「Apple Vision Pro」の話題で持ちきりですが、その他にも魅力的なAR/MRデバイスはたくさんあります。

今回は、Appleのライバルとして有力視されるXreal社が開発した「軽い」「安い」「高性能」の3つを備えたARグラス「XREAL Air 2」及びその上位モデルについて解説します。

XREAL Air 2とは

「XREAL Air 2」は、AR製品を手がけるXREAL社によって開発され、2023年9月21日に発売されたARグラスです。

2022年3月に発売された「XREAL Air」の後継モデルにあたります。

スマホやPC、ゲーム機の外部ディスプレイとして、330インチの大画面をいつでもどこでも表示できる点がウリです。

XREAL Air 2の使用感がわかる動画

主な用途としては、ゲームプレイやストリーミングを想定しており、軽量で持ち運びやすいデザインが特徴です。

また、周辺機器の「XREAL Beam」を組み合わせることでゲームからビジネスまで様々なシーンに対応することが可能です。

高性能ながらも54,980円という手頃な価格で提供されており、多くのユーザーにとって手が届きやすい製品となっています。

上位モデルには「XREAL Air 2 Pro」と「XREAL Air 2 Ultra」があります。

XREAL Air 2 シリーズ スペックまとめ

XREAL Air 2XREAL Air 2 ProXREAL Air 2 Ultra
ターゲット一般消費者一般消費者AR開発者
解像度片眼1,920×1,080(両眼3,840×1,080)片眼1,920×1,080(両眼3,840×1,080)片眼1,920×1,080(両眼3,840×1,080)
視野角46度46度52度
リフレッシュレート120Hz120Hz120Hz
DoF単体では0DoF(NebulaやBeamを使うと3DoF)単体では0DoF(NebulaやBeamを使うと3DoF)単体で6DoF
重量72g75g80g
価格54,980円61,980円99,800円
公式サイトXREAL Air 2XREAL Air 2 proXREAL Air 2 Ultra

XREAL Air 2の特徴

XREAL Air 2の特徴は以下の3つです。それぞれ解説していきます。

1. 薄くて軽く、快適な装着感なので長時間使用が可能

「XREAL Air シリーズ」は、その薄型化と軽量化によって高い人気を誇りますが、XREAL Air 2では、これらの特徴が一層強化されました。

特に、厚みは旧モデルに比べて10%減の19mmになり、重さも79gから72gへと著しく軽量化されています。

また、XREAL Air 2の設計では、装着感における違和感を最小限に抑えるために、ノーズパッドの改良や本体の重量バランスへの細やかな配慮が施されています。

特に、ボディの前後の重量配分を完璧な1:1のバランスに設定することで、鼻への負担を大きく軽減し、グラス装着時の快適性が大幅に向上しています。

このような細部への配慮が、XREAL Air 2を旧モデルから一歩進んだ、より快適に長時間装着可能なARグラスへと進化させています。

2. よりリアルで、没入感のある高画質なディスプレイ

2つ目の特徴は、高画質です。XREAL Air 2では、SONY製の0.55型micro-OLEDディスプレイを採用し、さらに光学エンジンには「AetherXR 3.0」が新たに導入されました。

これらの技術革新により、XREAL Air 2は旧モデルXREAL Airと比較して、より鮮明でリアルな画像を提供することが可能となりました。

特に、以前のXREAL Airでは、スポーツ観戦時に選手一人ひとりの肌の色に不自然さを感じるといった意見がありましたが、XREAL Air 2ではこの点が大幅に改善されています。

この高画質化は、ユーザーが映像コンテンツをよりリアルに、そして没入感を持って楽しむことを可能にし、AR体験全般の質を向上させています。

3. PC・スマホはもちろん、ゲーム機にも幅広く対応している

XREAL Air 2は、幅広いデバイスとのUSB-C接続に対応しています。

上の画像のように、スマホ・PC・タブレットはもちろん、プレイステーション5やNintendo Switchといったゲーム機との接続が可能です。

旧モデルのXREAL Airは、発売当初はハイスペックなAndroid端末にしか対応しておらず、iPhoneやゲーム機と繋げるためには別売りのXREAl Adapterを使用する必要がありました。

それに比べると、XREAL Air 2 は単体で様々なアプリケーションやサービスと連携することができるため、エンターテイメントからビジネス用途まで、ユーザーのニーズに合わせて多彩な使い方が可能です。

XREAL Air 2のAndroid対応機種

XREAL Air 2を使用するためには、Android端末と接続する必要があります。

ただし、どんなAndroid端末でも使えるわけではなく、特定の端末を選ぶ必要があります。

主に以下の端末がサポートされているようです。

  • Samsung Galaxy S23シリーズ
  • Samsung Galaxy S22シリーズ(Exynosチップ搭載モデルを除く)
  • OPPO Find X2 Pro/X3 Pro

その他の対応機種を知りたい方はこちら:https://www.xreal.com/jp/support/air2/

ハイエンドモデル Air 2 Pro/Ultraとの違い

ここでは、XREAL Air 2の2つのハイエンドモデルについて、そしてAir 2との違いをそれぞれ解説します。

1. XREAL Air 2 Pro

XREAL Air 2 Proは2023年11月17日に発売されました。価格は61,980円です。

Air 2 Proの最大の特徴は、透過度合いを調節できる「Dimming」機能です。

メガネ側面のボタンを押すことで、透過度合いを0%・35%・100%の3段階調節することが可能です。

2分34秒ごろにDimming機能の説明があります

レベル1(0%):わずかに影があり、ユーザーが現実の世界とやり取りするか、暗い環境で使用する際に理想的です。

レベル2(35%):レンズを通過する光の量を減少させます。これは周囲の状況に気を配りつつより没入感のある体験に最適です。

レベル3(100%):ほぼすべての周囲の光を排除し、屋内および屋外の環境を含むあらゆる照明条件でユーザーに最も没入感のある体験を提供します。

この機能により、状況に応じてAR〜MR〜VRと没入度を調節することができます。

この機能はAir 2には実装されていないため、このDimming機能(調光機能)を使いたい場合はAir 2 Proを購入することをオススメします。

Air 2 Proの説明書

Air 2 Proの具体的に使いたい場合は公式のドキュメントを参考にしてください。

動画も準備してあり、ドキュメントと動画を使い分けて参考にするとよいでしょう。

https://www.xreal.com/jp/support/air2/

Air 2 ProのAndroid対応機種

XREAL Air 2 Proを使用するためにも、Android端末が必要で、特定の端末を選ぶ必要があります。

対応している機種はAir 2と同じで、主に以下の端末がサポートされているようです。

  • Samsung Galaxy S23シリーズ
  • Samsung Galaxy S22シリーズ(Exynosチップ搭載モデルを除く)
  • OPPO Find X2 Pro/X3 Pro

その他の対応機種を知りたい方はこちら:https://www.xreal.com/jp/support/air2/

2. XREAL Air 2 Ultra

XREAL Air 2 Ultraは2024年1月ラスベガスで開催されたCES2024で発表された、XREAL Air 2 シリーズの最上位モデルです。

2024年3月に発売予定で、現在、99,800円で予約受付中です。

Air 2/Air 2 proは一般消費者がターゲットでしたが、Air 2 UltraのターゲットはAR開発者です。

また、Air 2 Ultraには新たにカメラを使った空間認識やハンドトラッキングの機能が搭載され、「空間コンピューティング」を実現するデバイスとして位置づけられています。

この「空間コンピューティング」は、Apple Vision Proと同じ概念であり、XREAL社がAppleに対抗しようとしている姿勢が窺えます。

関連記事:【XREAL Air 2 Ultra徹底解説】XREAL Air 2 Proとの違いやAndroid対応機種などをご紹介

関連記事:ついに日本発売!Apple Vision Proの特徴やアプリ開発と最新事例・レビューまとめ

Ultraは、従来の「ディスプレイ表示」機能に加え、ユーザーの体験を支える独自のセンサーを一新しました。

これにより、空間認識の精度が向上し、ユーザーの手の動きをより正確に捉えることが可能になりました。

さらに、視野角は52度(Air 2/Air 2 proは46度)に広がり、ユーザーの頭の向きや位置を検出する6DoFに対応しているなど、性能がさらに進化しています。

Air 2の場合3DoFの体験(画面上に映像が表示されて、空間上にオブジェクトの配置などができない)しかできないですが、Air 2 Ultraでは6DoFの体験、要は一般的なAR/MR体験が出来るようになります。

以上を踏まえて、どのような使い方をしたいか、によってAir 2/Air 2 Pro/Air 2 Ultraを購入するかを判断すると良いでしょう。

XREAL Air 2/Air 2 Proのアプリ開発に関する相談先

当メディア運営元・株式会社ForgersはNTTドコモやニトリをはじめ、多数の大手企業のXR開発や導入を支援しています。

Xreal Air 2を活用した楽しめるVR/MRコンテンツの開発や、工場で活用できるMRマニュアルアプリの開発なども可能です。

また、自動車部品のグローバルサプライヤー・アイシン社に、3D/デジタルマニュアルソリューション「RITTAI MANUAL」を提供するなど、製造業向けの支援も行っています。

少しでも気になる方は、無料で相談承っておりますのでぜひご相談ください。

周辺機器 XREAL Beam

XREAL Beamは、XREAL Air 2の体験をより豊かにする周辺機器です。ここでは、XREAL Beamの2つ特徴を解説します。

1. スマホ・ゲーム機とのワイヤレス接続が可能

XREAL Air 2単体しか持っていない場合は、Air 2本体とスマホやゲーム機と有線接続する必要がありましたが、Beamを使用することで、Air 2をスマホやゲーム機と有線接続する必要がなくなります。

上の画像のように、XREAL Air 2とBeamを有線で接続した状態でXREAL Air 2を装着すると、接続可能なスマホやゲーム機がWi-Fi経由でグラス越しに表示されるので、任意のデバイスを選択するとBeamとワイヤレスで接続されます。

これにより、スマホやゲーム機とケーブルで繋がっているというストレスから解放され、快適な体験をすることができます。

また、バッテリーの最大駆動時間は3.5時間ですが、ワイヤレス接続なため、使用しながら充電することができる点も魅力です。

2. 3つの表示モードをシーンに合わせて変更可能

Beamの2つ目の特徴は、シーンに合わせてディスプレイ表示の仕方を変更できる点です。以下、3つの表示モードについて解説します。

1. スムーズフォロー

スムーズフォローは、物理的な環境による映像の動きを最小限に抑えるように設計されたモードです。

グラスの動きと連動してスクリーンも一緒に動きます。

このモードは、車内などの軽微な揺れのある場所で使用する際に快適さをもたらします。

2. サイドビュー

サイドビューは、ディスプレイを小さくして横に移動させることで、視覚的な干渉を避けながら動画を楽しむことができるモードです。

スムーズフォローと同様、グラスの動きと連動してスクリーンも一緒に動きます。

例えば、映像以外にも見たい・したいことがあるとき、テレビ番組のワイプのように視界の隅に残しておくことが可能になります。

3. ボディアンカー

ボディアンカーは、3DoFトラッキングにより、頭の動きに関係なく画面が空中で静止し、体は自由に動くことを可能にするモードです。

スムーズフォローやサイドビューとは異なり、頭を動かしてもスクリーンがついてこないので、少し目を休ませたいときには有効です。

以上のように、XREAL BeamはXREAL Air 2の体験をより豊かにしてくれます。

価格は16,980円です。

XREAL Beam 公式サイトはこちら

体験を拡張できるXREAL Beam Pro

また、Android端末の代わりとして使うことができるのがXREAL Beam Proです。

XREAL Air 2の機能をさらに拡張し、ワイヤレス接続やポータビリティを提供するデバイスです。

AR向けに最適化されたAndroid 14ベースの「nebulaOS」を搭載しており、まるでスマホのようなARコンピューティングデバイスです。

背面には50万画素のデュアルカメラを搭載し、ARグラスに最適化された3D写真/動画を撮影することができます。

3D空間撮影用にデュアルカメラを搭載しており、空間ビデオを撮影できます。

60FPS ハイフレーム/30FPS 手振れ補正に対応しており、XREALのARグラスシリーズと組み合わせることで、高い没入感のある3Dコンテンツインタラクション体験が簡単に楽しめます。

XREAL「ARコンテンツ推進支援プログラム」を開始

2024年1月29日、XREAL社は、ARコンテンツ開発者を対象とした支援プログラムを開始しました。

このプログラムは、ARコンテンツの開発に携わる企業、研究機関、大学などに、開発用のARグラス「XREAL Light」を無償で提供することを主な内容としています。

参加者には、XREALのNRSDKを使用してARアプリやコンテンツの開発が求められ、完成したコンテンツはXREALの宣伝活動に利用される可能性があります。

募集期間は、2024年1月29日から5月31日までです。提供される「XREAL Light」は、1応募につき最大5台までとされており、開発したコンテンツは2024年6月末までに提出する必要があります。

募集対象は、AR/MR/VRコンテンツの開発に取り組む企業や部門、教育機関など広範囲にわたります。

参加者は、Port、Art、ハンドトラッキングに最適化したデモアプリ、At-Home Fitness、Gameなど、さまざまなカテゴリーのARアプリを開発することができます。

提出は、完成したARコンテンツを.apk形式で送付する形式を取り、開発者情報やコンテンツの詳細な説明を同封する必要があります。

「ARコンテンツ推進支援プログラム」のエントリーはこちらから

まとめ

今回は、Appleのライバルとして有力視されるXREAL社の製品について詳しく解説しました。

ARコンテンツ推進プログラムからわかるように、今後のXREAL社はAR開発のエコシステムの構築に力を入れ、さらにAR業界を発展させていくでしょう。

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