【2024年最新】業界別AR/MRのビジネス活用事例14選と導入効果を徹底解説
AR/MRとは「現実世界に仮想オブジェクトを重ね合わせする技術」のことで、現実に情報を付加して新しい表現や体験を実現します。
このAR/MR技術ですが、近年開発用のライブラリも豊富になり、ネイティブアプリだけでなくWebでも簡単にAR/MR体験ができるようになりました。
導入の障壁が下がり、様々な場面で利用できるようになったAR/MRは、ビジネスにも広く使われるようになってきています。
そこで、この記事では「ARの具体的なビジネスでの活用方法」や「AR活用によりどのような効果やメリットがあるのか」などを解説します。ビジネス活用を検討されている方はぜひご一読ください。
- 1. AR/MRとは?|AR/MRに関する基礎知識の整理
- 1.1. AR(Augmented Reality / 拡張現実)とは?
- 1.2. MR(Mixed Reality / 複合現実)とは
- 2. ARの種類|Web ARとARアプリの2種類に大別される
- 2.1. WebARはブラウザーベス(インストール不要)で手軽に体験できる
- 2.2. アプリ型AR:インストールは必要だがリッチな体験を提供できるAR
- 3. ビジネスシーンへのAR/MRの活用方針・メリット
- 3.1. ①ARによる業務の効率化
- 3.2. ②ARでトレーニングを行うことで、コストダウンや育成促進・効率化につながる
- 3.3. ③AR試し置きによる営業の効率化やECのCVR改善
- 4. ビジネスへのAR/MRが今後一層加速する背景
- 4.1. GAFAMなどの海外のビッグテックが力を入れている
- 4.2. インストール不要なWebAR技術の進化
- 5. ビジネス活用にオススメのAR/MRデバイス
- 5.1. Apple – 「Vision Pro」
- 5.2. Microsoft – 「HoloLens 2」
- 5.3. vuzix社「m400スマートグラス」
- 6. 【業界別】AR/MR活用事例14選
- 6.1. 小売・EC業界:家具のAR配置やファッション・アパレルのAR試着など
- 6.1.1. ファッション・アパレルのAR試着サービス導入事例
- 6.1.2. ECで家具のAR配置機能を実装し、販促効果を生み出す
- 6.2. リフォーム業界のAR活用事例:施工後のシミュレーションに
- 6.3. 製造業界
- 6.4. 土木・工事業界
- 6.5. 建築・建設業界
- 6.6. 不動産業界
- 6.7. スポーツ業界
- 6.8. 医療業界
- 6.9. 観光業界
- 6.10. 教育業界
- 6.11. 音楽業界
- 6.12. 美容業界
- 6.13. 運輸・物流業界
- 6.14. 広告業界
- 7. ビジネスにおけるAR/MR導入時の課題と対策
- 7.1. 技術的ハードルやコストが高い場合は、無料ツールの利用や外部委託をする
- 7.2. 多くの人に利用してもらえるように、わかりやすいUI設計を心がける
- 7.3. リアルタイム処理能力を高めるために、クラウドを利用する
- 8. まとめ
AR/MRとは?|AR/MRに関する基礎知識の整理
AR(Augmented Reality / 拡張現実)とは?
拡張現実(AR)は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせる技術で、カメラやグラス越しに、現実空間にデジタルの文字や画像、3Dモデル等をオーバーレイすることを指します。
視界を全て覆い、全て3DCGの仮想空間を体験するVR技術と異なり、ARではあくまで現実空間にデジタル情報を投影することで
- あたかもそこに仮想のキャラクターなどが存在しているかのような新たな体験の提供
- 手順書投影などによる効率化
- ECやカタログの販促強化
などを実現します。
例えば、倉庫でのピッキング作業において「探している荷物がどこにあるか」が紙の作業手順書ではなく、ARグラスにマニュアルや所在が表示されることで、大幅に作業効率が上がります。同時に誤配送の可能性も下がります。
先のは一例であり、ビジネスでは業界問わず、製品設計からマーケティング、研修・訓練に至るまで、多岐にわたる応用が可能です。
MR(Mixed Reality / 複合現実)とは
MRは、HoloLens2、MetaQuest3、AppleVisionProといった空間コンピューティングデバイスで、現実空間に3DCGを投影する技術を指します。
実際の床・壁や照明、人の動きなど、現実空間の影響を投影した3DCGが受ける形で投影し、「あたかもそこに存在しているかのような体験」の精度やクオリティを高めます。
MRは製造業、設計、医療分野でのトレーニングやシミュレーションツールとして活用されています。例えば、医療分野では、手医師は仮想現実上での手術のシミュレーションを行い、実際の手術に臨む前に病状や手術手順を詳細に理解するケースもあります。
余談ですが、AppleはARやMRという言葉を使わず、Spatial Computing という言葉を使っています。Apple Vision Proは「MRデバイス」ではなく「Spatial Computingデバイス」なのでご注意ください。
Apple 公式の「Spatial Computing」に関する喚起ページ:https://www.apple.com/newsroom/2023/06/introducing-apple-vision-pro/
関連記事:業界別・VR研修/訓練の最新事例|導入方法や費用・メリットを解説
ARの種類|Web ARとARアプリの2種類に大別される
ARにはWeb ARとARアプリの2種類あり、それぞれ異なる利点と制約を持っています。
WebARはブラウザーベス(インストール不要)で手軽に体験できる
WebARは、文字通りWebブラウザを介して実現されるAR技術の一種です。
最大の魅力は、その手軽さにあります。ユーザーはウェブブラウザを開き、特定のウェブサイトにアクセスするだけで、AR体験を楽しむことができます。
企業やブランドは、ユーザにわざわざアプリのインストールを要求することなく、負荷を極力かけない状態でAR体験を提供できます。
機能としては「カメラ越しに実寸大で表示すること」が中心になりますので、EC・カタログなどにおけるインテリアのAR試し置きや、観光地でのキャラクターのAR表示といった「配置」に特化した事例が多いです。
※WebARについて詳しく知りたい方はこちら【WebARとは?】ARアプリとの違いやビジネスでの活用事例を解説!
アプリ型AR:インストールは必要だがリッチな体験を提供できるAR
ARアプリは、スマートフォンやタブレット、ARデバイス向けのネイティブアプリケーションを指します。
Webのブラウザ型ARと比較すると、インストールする手間や実装コストは大きくなりますが、AR表示機能だけでなく、様々な機能を実装することができる点がメリットです。
ARアプリについて詳しく知りたい方はこちら:【ARアプリとは何か?】WebARとの違いやおすすめアプリ、開発ツールなどを紹介!
ビジネスシーンへのAR/MRの活用方針・メリット
昨今AR/MRがビジネスで注目を集めており、VRよりもAR/MRの方がビジネスでの活用が進んでいるとも言われています。
なぜ注目を集めているのか、大きく3つの理由でご説明します。
①ARによる業務の効率化
主に製造・インフラ・建設業界では、AR技術を活用し、作業実施箇所にARでデータを表示する)ことで業務の効率化を行なっています。
AR技術の特徴は「スマートフォン・タブレットのカメラ越しに3DCGを投影する」ことですので、
- 製造業やインフラ業:作業指示書を投影し、業務を行いながら指示書を確認する
- 建設業:配筋や工事の施工イメージを現地に表示することで、工事業者や施主の理解を促進する
といった形で活用されています。
②ARでトレーニングを行うことで、コストダウンや育成促進・効率化につながる
ARを活用すると、効果的なトレーニングが可能です。
例えば、3DCGで設備や機材をその場に配置することで、実際の機材を使わなくてもトレーニングを行うことが可能です。
機材の組み立て手順や使い方などを覚える場合、紙や画像・動画マニュアルだと「分かりづらい」「受講者にとって受動的なトレーニングになりがち」といった課題が発生します。
一方で、ARやMRを活用したトレーニングの場合
- 仮想の機械(3DCG)をその場に配置
- 実際に機械を使うかのように、トレーニング体験を行う
といった新しいトレーニングが可能になり、高い学習効果が期待できることに加え、機械導入と比較すると大幅なコストダウンが可能です
外国人労働者向けにもビジュアル・体験ベースでOJTに近いトレーニングを提供できるため、今後の人材育成においてAR/MR技術の活用は必須とも言えるでしょう。
※関連記事:3Dマニュアル・手順書の作成と利用方法-技術継承や業務効率化ツールをご紹介
本メディア運営元の(株)Forgersは、大手自動車部品メーカー、大手工作機メーカーなど多くの製造企業のXR・3D活用を支援してきた実績があります。業務へのXR活用にご興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
③AR試し置きによる営業の効率化やECのCVR改善
ビジネスにおいて一番重要視されるのは自社の売上の向上やコストの削減など、企業活動に影響のある数字に反映されるかという点ですが、明確に売上向上やコストカットを実現する例は販促です。
例えば、家具販売を行う小売業者のECサイトでは、EC向けAR導入サービス「RITTAI」の導入後、カテゴリごとに異なるもののCVRが1.6~2.8倍向上し、大幅な売上向上を実現しています。
また、大手製造メーカーはカタログやHPへのAR機能の導入により、顧客が自ら製品を向上や設置予定の場所にARで試し置きすることができるようになり、客先に製品を持ち運ぶ輸送費や手間を削減することができた、という例もあります。
このように、明確な費用対効果を創出する企業が増えています。
ビジネスへのAR/MRが今後一層加速する背景
GAFAMなどの海外のビッグテックが力を入れている
Apple社やGoogle社などのビッグテックが力を入れている、という事実も注目されている一因を担っています。
特に最近ではAppleから『Apple Vision Pro』というSpatial Computingデバイスが発売されたことで、AR/MRで世界最大級のイベントであるAWE 2024は近年で一番盛り上がっていました。
また、Google社はGPSの3次元版に当たる、特定の位置・向きにデジタルコンテンツを表示することができる「VPS」の推進に注力したり、Meta社のMeta Quest3はVRだけでなくMRの体験が出来るようになっていたり、ビッグテックの多くがビジネスの可能性を感じ多額の投資を続けています。
多額の投資と共に技術の発展が起き、出来ることが増えてユースケースが増えている、といった良い循環が回っているようです。
インストール不要なWebAR技術の進化
また、ARアプリでしか出来なかったリッチな体験を、インストール不要なWebアプリとして体験できるようになってきた技術の発展も注目される要因と言えます。
昨今の世の中の流れとして、デジタルネイティブは面倒な作業を嫌がることが多いため、いかに手間を省いて体験してもらうかが重要視されています。
その中でWebARの発展により、既存のARアプリと遜色のない体験を手軽に提供できるため、ARアプリ体験提供よりも高い体験率を実現することができます。
以上の3つの観点以外にも様々な要因がありますが、確実にAR/MRがビジネスに浸透してきています。
ビジネス活用にオススメのAR/MRデバイス
AR/MRを事業に導入する場合、コンシューマー向けに展開されているデバイス以外にも適したデバイスが多く存在します。
ここでは代表的なデバイスをご紹介します。
Apple – 「Vision Pro」
Appleが発表した「Vision Pro」は、デジタルコンテンツを現実の世界とシームレスに融合させるSpatial Computingデバイスです。(厳密にはMRデバイスではないですが、便宜的にここで紹介しました)
2024年6月28日から、日本でも販売開始することが発表されました。
主な特徴は以下の通りです。
- 2つのディスプレイに2,300万ものピクセルを詰め込んだ超高解像度のユーザー体験を提供。
- カスタムAppleシリコンを搭載し、画期的なデザインと驚異的な性能を実現。
- macOS、iOS、iPadOSの基盤を引き継ぎつつ、Vision Pro専用の新たなOSを採用。
- アプリケーションを好きな大きさで並べて表示可能な3Dインターフェイスを備え、生産性の向上をサポート。
- 幅30メートルにも感じられるスクリーンを備えた映画館としての体験を提供し、空間オーディオに対応した180度の高解像度録画を通じて臨場感あふれる映像を楽しむことが可能。
現在様々な業界でApple Vision Proを使ったプロトタイプの開発や実証実験を行って、ビジネスでの活用を模索されているようです。
Microsoft – 「HoloLens 2」
HoloLens 2は2019年に発売された、ビジネスの現場での使用に特に適しているMRヘッドセットで、主な特徴は以下の通りです。
- コントローラー不要:高精度のハンドトラッキング、音声コマンド、アイトラッキングによる操作が可能
- 遠隔作業支援:遠隔地にいる別ユーザーとリアルタイムで繋がり、共同作業を行うことが可能
- トレーニング・教材化:3Dグラフィックによる分かりやすい教育コンテンツの表示
医療、教育、製造など多岐にわたる分野でその効果を発揮し、作業の効率化やトレーニングに使われており、現在販売されているMRデバイスの中で一番現場に導入されているデバイスと言えるでしょう。
vuzix社「m400スマートグラス」
「vuzix m400スマートグラス」をはじめ、vuzix(ビュージックス)社が開発・販売するスマートグラスはその軽量さや防水等の性能面から、作業現場を中心に活用が進んでいます。
上の画像からもわかるように、非常にコンパクト・軽量なデバイス設計であるため、以下のシーンを中心に活用されています。
- 遠隔作業支援
- 手元の録画及び技術の継承
- 現場マニュアルの持ち込みや、倉庫のピッキング業務の効率化
このように、すでに実用可能な多くのデバイスがリリースされており、耐久性が求められるハードな現場でも多くの活用事例が出ています。
他のARグラスやMRデバイスについて知りたい方はこちら:【2024年最新】Appleの最新デバイスも紹介|注目のARグラス・スマートグラス・MRデバイス16選
【業界別】AR/MR活用事例14選
ここからはAR/MRが具体的にどのようなビジネスシーンで活用されているのか、業界別の活用事例をご紹介します。
小売・EC業界:家具のAR配置やファッション・アパレルのAR試着など
小売・EC業界では、主にオンラインショッピングの販促施策として大きく2つの領域(家具・ファッション)でARが活用されています。
従来オンラインストアでは「事前に試着すること」や「サイズを事前に確認すること」が難しかったですが、ARを導入することで
- ファッション・アパレルのAR試着:自身にフィットするか事前に確認できる
- 家具のAR試し置き:自宅にサイズが合うか確認できる
といったことが可能になりました。
ファッション・アパレルのAR試着サービス導入事例
ファッション小売業のASOSは「See My Fit」というAR機能を導入し、顧客がアプリ上で衣服を試着し、購入前にフィット感やスタイルを確認できるようにしています。
AR技術によって、顧客がモバイルアプリやWebプラットフォームを通じて、製品情報をバーチャルで即座に取得し、価格や色、サイズ、レビューなどの詳細を確認できます。
※小売・EC業界の活用事例まとめ:ECや実店舗でのAR/3D活用事例10選|ARによる小売・コマースへの革新とは
ECで家具のAR配置機能を実装し、販促効果を生み出す
3D・VR/AR開発スタートアップ・株式会社Forgersは「RITTAI」という顧客が自宅で家具を仮想的に配置して試せるコマース向けのサービスを提供しており、すでにニトリ・ニッセン・イトーキといった大手企業から中小企業まで幅広い企業のECやカタログに導入されています。
これにより、ユーザーは購入前に家具のサイズや色合いが自宅に合うか確認できるため、安心して購入することができます。
導入企業はECの売上の向上や返品率の削減・コストカットを実現できるでしょう。
家具業界におけるAR活用:ニトリも導入!ARで家具配置シミュレーション|EC・店舗での最新活用事例や導入効果
リフォーム業界のAR活用事例:施工後のシミュレーションに
家の建設、改修、装飾などを行うリフォーム業界では、AR技術はリフォーム前に施工後のイメージを確認する形で活用されています。
日本では、LIXILやパナソニックなどの住宅設備企業が、ARアプリケーションを通じて、顧客がリフォームのシミュレーションを行えるサービスを提供しています。
住宅全体のリノベーションをARでシミュレーションすることは難しいものの、
- 部分的な床材・壁材の張り替えシミュレーション
- 洗面台やシステムキッチンのAR配置
- ガーデニング・エクステリア商材のAR配置・外構シミュレーション
など、部分的な確認は十分に可能であり、顧客は購入前に製品が自宅の空間にどのように収まるかを確認できます。
海外では、大手ホームセンターのHome Depotが、AR技術を活用したリフォームプランニングツールを提供しており、顧客は自宅でのリフォームプロジェクトを簡単に計画できます。
関連記事はこちら↓
※リフォーム業界の活用事例:
製造業界
航空機製造のエアバス社はMicrosoft HoloLens 2のARメガネを使用し、作業員が手順に沿って効率的に組み立て作業を進められるよう支援しています。
日本のトヨタは、車両の組み立てやメンテナンスを効率化するためにARを導入しており、作業者は3Dモデルを使って複雑な手順を視覚的に把握し、エラーを減らしつつ作業の正確性を向上させています。
また、3D・VR/AR開発スタートアップ・株式会社Forgersは、製造業界向けの3D・デジタルマニュアルサービス「RITTAI MANUAL」を展開しています。
製品の組み立て・使い方・メンテナンス方法を分かりやすく表現するツールとして、営業や人材育成等に活用することができます。
そのほかの製造業界のAR/MR活用事例・導入方法に関する記事はこちら:
- 【製造業・工場のAR/MR/VR活用事例】メリットや導入のポイントを解説
- 製造業・建設業のスマートグラス×遠隔支援|最新事例とメーカー・価格一覧
- デジタルツインによる工場のスマート化・活用事例|製造業の未来と課題とは
土木・工事業界
土木・工事業界でのAR技術の活用は、プロジェクトの計画、進行管理、安全性向上、そしてコミュニケーションの効率化を促進しています。
日本では、清水建設などの大手ゼネコンがAR技術を活用しています。
これにより、現場作業員は実際の環境に重ねてデジタル情報を表示し、より正確かつ迅速に作業を進めることができます。
海外では、Trimble社のARツールが、土木工事プロジェクトの進捗の報告やチームワークの強化に利用されています。
これらのツールは、建設現場での作業効率を向上させ、エラーの発生を減少させることに貢献しています。
土木業界の活用事例について知りたい方はこちら↓
※土木業界の活用事例:【土木業界のAR/VR/メタバース活用事例】メリットや導入ポイントを解説!
建築・建設業界
建築・建設業界において、ARは建築物の3Dモデルを現実世界に重ね合わせることで、設計の可視化、施工の精度向上、プレゼンテーションの強化を実現しています。
日本では、竹中工務店がAR技術を活用し、建築現場での作業指示や安全教育を行い、作業員の理解を深めています。
海外では、 Autodesk社のRevit LiveなどのARソリューションが、建築設計の共有や施工段階でのトラブルシューティングに利用されています。
これらのツールにより、設計者と施工者間のコミュニケーションが向上し、プロジェクトの成功率が高まっています。
建築・建設業界のAR/MR活用事例はこちら↓
※建築・建設業界の活用事例:【建築・建設業界のAR/MR活用事例】メリットや導入する際のポイントを解説!
不動産業界
不動産業界は、土地や建物などの不動産物件の売買、賃貸、管理を行う産業であり、住宅、商業施設、オフィスビルなどが含まれます。
この業界において、AR技術は物件の魅力を顧客に伝え、購入意欲を高めるための重要なツールとして活用されています。
海外では、ZillowやRedfinのような不動産プラットフォームが、AR技術を用いたバーチャルツアーを提供しており、顧客は自宅から様々な物件を効率的に比較検討できます。
不動産業界のAR/MR活用事例はこちら↓
※不動産業界の活用事例:三井不動産や東急不動産も活用!|不動産業界のAR・VR活用事例から学ぶメリット・導入効果
スポーツ業界
スポーツ業界では、AR技術がファンのエンゲージメントを高め、試合の視聴体験を向上させることを期待されています。
日本のNECは、ARを活用した新たなスポーツ観戦スタイルの実証実験を行っています。
これが実現すると、ユーザーは試合の統計情報や選手情報をリアルタイムで確認できるようになります。
また、海外のARスポーツエンタメ企業であるQuintarと通信会社AT&Tも共同で同様のARサービスを開発しています。
試合会場で AR コンテンツにアクセスできるようになれば、家でテレビ観戦している時のように詳細な情報が提供されて、楽しみがより一層深まります。
スポーツ業界におけるAR/VR活用事例についてもっと知りたい方はこちら↓
※スポーツ業界の活用事例:【スポーツ業界のAR/VR活用事例】メリットや導入ポイントを解説!
医療業界
医療業界において、AR技術は医療従事者のトレーニングや手術の支援、患者教育などに利用されています。
日本では、VR Japanと順天堂大学医学部呼吸器外科が、ARを用いた安全な「胸腔ドレーン挿入法」の共同研究を行なっています。
AR技術によって患者の胸部CTの情報をARグラスに反映させるシステム構築の研究を進めています。
これが実現すれば、体腔内を透視した状況が実現して、胸腔ドレーンの挿入の安全性が高まります。
また、NTTグループのXR企業・NTTコノキュー社は、株式会社Forgersと共に歯科業界の人手不足を解消する遠隔医療支援サービス「Project the Hands」を開発しています。
海外では、スイスのKapanu社が歯科医療向けARアプリをリリースしています。
このアプリを使えば、治療前の患者の口腔内を3Dスキャンして、患者に装着予定の歯の3DモデルをARで表示させることができます。
医者と患者の間で装着のイメージを共有できるため、患者の満足度向上が期待できます。
医療業界におけるAR/MR/VR活用事例についてもっと知りたい方はこちら↓
※医療業界の活用事例:【医療分野におけるAR/MR/VR】導入メリットや活用事例を紹介!
観光業界
観光業界におけるARの応用は、旅行体験を変革し、観光客に新しい方法で目的地を探索させる機会を提供しています。
観光客が実際の環境にバーチャル要素を重ね合わせることで、文化遺産や名所の歴史を学ぶことができます。
例えば、SmartGuideは特定の場所での3Dモデル表示によって観光客の没入感を高めます。
また、福島県では「大冒険!ウルトラマンARスタンプラリー」というイベントが開催され、ウルトラマンのAR画像をダウンロードしてスタンプを集めることで、家族連れの観光客を誘致しています。
これらのARアプリケーションは、観光客に対して没入感のある案内を提供し、旅行体験を向上させることができます。
観光業界におけるAR/VR活用事例についてもっと知りたい方はこちら↓
※観光業界の活用事例:【2024年最新】観光業界のAR/VR/メタバース活用事例
教育業界
教育現場でのAR技術の活用は、学習体験を豊かにし、生徒たちの理解を深める革新的な手法として注目されています。
日本では、東京書籍が自社開発のARアプリマチアルキを提供し、生徒たちが地域の魅力を動画で発信する活動をサポートしています。
海外では、Wonderscopeというアプリが、スマホやタブレットを使って、絵本の世界を現実空間に映し出し、子どもたちが物語に直接参加できるインタラクティブな学習体験を提供しています。
教育業界におけるAR/VR活用事例についてもっと知りたい方はこちら↓
※教育業界の活用事例:【教育業界におけるAR/VR/メタバース】導入メリットや活用事例を紹介!
音楽業界
音楽業界は、アーティストの作品制作から配信、ライブパフォーマンスまでを含む広範な産業です。
この業界では、AR技術がファンとの新しいインタラクションを生み出し、エンターテイメント体験を革新しています。
日本では、ソニーミュージックエンタテインメントがARを活用したアーティストの音楽ライブを行っており、ファンはアーティストの音楽やビジュアルをより身近に感じることができます。
海外では、人気アーティストのMaroon5が、YoutubeのオフィシャルアカウントでARを活用したMVをリリースしました。
SnapchatのARフィルターを使用したこの動画クリップは2023年12月7日時点で約2,260万回再生されています。
音楽(エンタメ)業界におけるAR/VR活用事例についてもっと知りたい方はこちら↓
※音楽業界の活用事例:【2024年最新】エンタメ業界のAR/VR/メタバース活用事例を紹介!
美容業界
美容業界では、化粧品の試し塗りやスキンケアの効果を仮想的に体験するためにARが利用されています。
これにより、消費者は製品を購入する前に、自分に合った色や効果を確認できます。
日本の化粧品ブランド資生堂は、店舗にARミラーを設置し、顧客が化粧品をバーチャルで試すことができます。
海外では、L’OréalがAR技術を活用して、顧客が自宅で化粧品を試すことができるサービスを提供しています。
美容業界におけるAR/VR活用事例についてもっと知りたい方はこちら↓
※美容業界の活用事例:【美容業界のAR/VR/メタバース活用事例】メリットや導入ポイントを解説!
運輸・物流業界
運輸・物流業界では、AR技術が配送プロセスの効率化や、倉庫内の作業指示に利用されています。
これにより、作業員はより迅速かつ正確に作業を行うことができます。
日本では、NECがARグラスを用いたソフトウェアを開発し、物流倉庫内でのピッキング作業の効率化に貢献しています。
遠隔業務支援サービスは、現場作業者と遠隔地の支援者が映像と音声を共有し、リアルタイムでのサポートを実現することで、ピッキングミスの低減に寄与しています。
海外では、ウォルマートが同様にAR技術を導入して、倉庫内でのピッキング作業の効率を向上させています。
広告業界
広告業界では、ARによるインタラクティブな体験によって、販売促進やSNS拡散、競合との差別化といった効果が期待できます。
「SWEETS BANK」ARは、OnePlanetと春華堂が共同で制作したものです。
このARは、Instagramを使用し、新型コロナウイルス感染症の流行下でも複合施設「SWEETS BANK」を気軽に楽しめるように設計されました。
Instagram上でカメラが平面を検知すると、2021年4月12日に開業した複合施設「SWEETS BANK」がARとして現実世界に飛び出し、周囲360°を体験できるようになります。
海外では、ペプシマックス社がロンドンのバス停に特殊なHDスクリーンを設置し、UFOやロボットなどのAR映像を表示しました。
これにより、バスを待つ人々は現実とARが融合したユニークな体験を楽しむことができました。
このキャンペーンはYouTubeで800万回以上再生され、ペプシマックスの売上を最大35%伸ばしました。
ビジネスにおけるAR/MR導入時の課題と対策
最後に、ビジネスにおけるAR/MR導入にあたっての課題とその対策について解説します。
技術的ハードルやコストが高い場合は、無料ツールの利用や外部委託をする
AR/MR技術の導入には、専門的な技術や知識を持った開発チームや高価なハードウェアが求められることが多いです。
これは、小規模な企業にとっては、特に大きな障壁となり得ます。
解決策の一つとして、オープンソースのAR/MRフレームワークを活用することが挙げられます。
これにより、開発コストを抑えつつ技術の導入が可能になります。
関連記事はこちら↓
※AR/VRプラットフォーム紹介:【最新AR/VRサービスガイド】用途別で選ぶ最適なプラットフォーム
また、外部の専門企業とパートナーシップを組むことで、技術的なハードルを乗り越えることも一つの方法です。
関連記事はこちら↓
※ARコンサル会社まとめ:【おすすめのARコンサルティング会社7選】会社の選び方や準備しておくべきことを解説!
※AR開発会社まとめ:【上場企業・スタートアップ別】AR/MR開発会社7選と目的別ソリューション一覧
多くの人に利用してもらえるように、わかりやすいUI設計を心がける
AR/MR技術のユーザーインターフェースは、その直感性と使いやすさによって、導入の成功が大きく左右されます。
特に、AR/MRデバイスを日常的に使用しない人々にとっては、複雑な操作や理解しづらいインターフェースは大きな障壁になります。
この課題に対する対策として、ユーザーテストを積極的に実施し、エンドユーザーの視点から使いやすいインターフェースを設計することが重要です。
さらに、チュートリアルやヘルプ機能を充実させることで、ユーザーが新しい技術を習得しやすくすることも有効な手段です。
リアルタイム処理能力を高めるために、クラウドを利用する
AR表示を現実世界と馴染ませるためには、高度なリアルタイム処理能力が求められます。しかし、これは簡単なことではありません。
この問題に対しては、強力なコンピューティングリソースと最適化されたソフトウェアアルゴリズムの開発が必要です。
クラウドコンピューティングやエッジコンピューティングの技術を活用することで、データ処理の負荷を分散し、リアルタイム性を高めることが可能になります。
まとめ
今回はビジネスにおけるAR/MR導入事例をご紹介しました。
この記事が様々な業界のAR/MR導入の際の検討に役立てば幸いです。
関連記事はこちら↓
※AR/MRアプリ開発について:【AR/MRアプリ・システム開発】必要な技術・ツールの選び方を解説!
※VR/メタバースのビジネス活用事例まとめ:【業界別】VR/メタバースのビジネス活用事例を11業界紹介!|VR活用の可能性を探る【2024年最新】