家具をARで試し置き|EC・店舗での最新活用事例や導入効果

オンラインストアや家具の販売店で家具を購入検討する際に、多くの方々は「自宅にサイズが合うか(入るか)?」「カラー・デザインが今の空間にフィットするか」という点を気にされると思います。

そういった顧客の不安を解消する技術が、家具の試し置きを可能にする「AR」です。

この記事では、ARと3D技術の概要や、家具販売での最新活用事例をまとめていきます。

目次

ARとは、バーチャルの家具をリアルの空間に試し置きする技術

拡張現実(AR)は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせる技術で、スマートフォンやタブレット、のカメラ越しに実際の環境に仮想のオブジェクトを表示させます。

この技術はエンターテイメントや教育、医療など多岐にわたる分野で活用されていますが、昨今は特に家具販売シーンでの活用が盛んです。

中でも、家具の3DCGデータを現実空間にARで試し置きする技術を家具の販売シーンに導入すると、

  • EC・オンラインストアでのAR活用:商品ページを訪れたユーザーは、ARで家具を自宅に配置・シミュレーションし、購入前に自宅にフィットするか確認することができる
  • 実店舗でのAR活用:在庫がない商品でも、ARでその場に家具製品を配置し、お客様にプレゼンテーションすることができる

といった活用が可能になり、顧客満足度の向上が可能になります。
では、具体的にどんなメリットがあるのか、解説していきます。

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AR導入の数値効果は?家具・インテリアの配置シミュレーションのメリット

ここでは、家具・インテリア業界が抱える課題と、それをAR/3Dでどのように解決できるのかについて解説していきます。

1.ARで家具を表示しサイズやカラーをチェック、返品率の減少と売上が増加

家具やインテリアを購入する際、多くの顧客は製品が自宅の空間にどのように馴染むかを正確にイメージすることに苦労します。
「店舗では小さく見えたが、自宅に置いてみたら意外と大きかった・入らなかった」
「柄やデザインが自宅に合うか分からず、無難な色を選んでしまう」
といった経験は、誰しもあるのではないでしょうか。

特に直近数年間はオンラインショッピングの普及により、実物を見ずに購入する機会が増え、この課題は顕著になっています。

色、サイズ、スタイルなどの要素が期待と異なる場合、返品や交換の手間とコストが発生したり、クレームの原因になると顧客満足度にも影響を与えます。

この課題に対して、オンラインストアにAR試し置き機能を導入と、顧客は事前に自宅の空間に仮想的に家具やインテリアをARで配置・シミュレーションし、実際にどのように見えるかを確認できます。

例えば、スマートフォンを使用して、リビングルームに新しいソファを試し置きし、色やサイズが部屋の雰囲気に合うかをリアルタイムで視覚化できます。

このプロセスにより、購入前の不安を解消し、返品や交換のリスクを軽減することができます。

家具販売における導入効果や実際のユーザーの声

Houzz内では、

  • ARを利用したユーザー
  • ARを利用していないユーザー

それぞれの購入率を比較したところ、およそ11倍前者(AR利用ユーザー)の方が高かったとのこと。
AR機能を提供することで、いかに家具購入時の不安を解消し、購買意欲を喚起できるかが分かります。

ARには間違いなくECの売り上げや顧客体験・満足度を向上させる効果があるでしょう。

また、家具大手のニトリはすでにECにARを導入していますが、「購入前に自宅の雰囲気とマッチするか確認できる点」を評価しているようです。

ARを活用することで、家具のサイズやデザインが部屋に合うかどうか、実際に配置した際の雰囲気などを事前に確認できるため、失敗のリスクを軽減し、より確実な家具選びが可能になります。

家具配置の精度はユーザーの端末に依存しますが、技術の向上により解決していくと期待されています。

ニトリも導入!2024年最新・家具のネットショップや店舗でのAR導入事例6選

(1)ニトリ|ECや店舗にAR・3D家具配置シミュレーター導入

老若男女に愛される、国内最大手の家具メーカー・ニトリ。

ついにオンラインショップにもARが導入され、多くの商品をARで試し置きすることができます。
ニュースリリース:https://www.nitorihd.co.jp/news/items/6bdf4f6c09f668199cce49aa04760eb3.pdf

「スマホで簡単!3Dで試し置き」導⼊によりご⾃宅でも店頭でも、気になる商品を実⼨⼤で確認することができ、お客様に便利で快適な買い物環境をご提供いたします。

と発表しており、ECだけでなく、店舗でも在庫のない商品をARで実寸台表示し、お客様が確認できるようになるとのことです。

現在300点の商品がAR対応しており、今後数ヶ月で1000アイテムまで増やしていく予定とあり、ニトリのECや店舗の利便性、体験性がますます高まりそうです。

※ニトリは、株式会社Forgersが提供するARサービス「RITTAI」を導入しています。

3D家具配置シミュレーターとのセット導入に

ちなみにニトリは「3Dインテリアシミュレーター・RITTAI ROOM 」も導入しており、RITTAIとRITTAI ROOMで3Dデータを共通で管理し、3D/XR施策の運用負荷の削減を実現しました。
RITTAI ROOMは店舗の販売員や、オンラインのインテリアコーディネート相談室で、お客様の間取りのヒアリングや家具配置提案シーンで活用するそうです。

ニトリのARページはこちら:https://www.nitori-net.jp/ec/feature/nitoriAR/

(2)IKEAのAR家具配置シミュレーター搭載アプリ「IkeaPlace」

北欧のグローバル家具ブランド・IKEAですが、以前よりARや3D、VR技術を活用した販促に取り組んでおり、ECでは多くの商品をARで試し置きできます。

また、「IKEA Place」というアプリでは「実際のお部屋の写真を撮影すると、配置されている家具を消去でき、IKEAの家具をバーチャルで配置して確認できる」という機能も。

常に先をいく販売手法に取り組むIKEAから目が離せません。

参考記事:イケアはスマホアプリにARを導入し、「家具の買い方」を根本から変える(Wied Japan)

(3)Amazon:AR機能をリリース

大手ECモール・AmazonもAR機能を提供しており、多くのモール出展者が商品ページにAR機能を導入しています。

1万点以上の商品がARに対応しており、多くのモール出展業者が積極的にAR機能を活用していることが分かるでしょう。

(4)LOWYA(ロウヤ):AR機能が搭載した利便性の高いECでファンを獲得

若者を中心に人気の家具ブランド・LOWYA。

オンラインストアが販売の中心ですが、20~30代を中心に人気があり、売上を伸ばしています。

そんなLOWYAが取り組んでいるのがAR機能の実装で、Web・アプリ双方で多数の商品をARで配置することができます。

ECでの販売がメインだとユーザーは商品の実物を見る機会が少なく、サイズや色合いを体感しづらいですが、AR機能を活用することでユーザーの不安を解消し、利便性の高いショッピング体験を提供することができます。

(5)JOURNAL STANDARD FURNITURE:店舗でのAR活用も促進

小売大手のベイクルーズが手掛けるインテリアショップ・ブランドの、「JOURNAL STANDARD FURNITURE」や「ACME FURNITURE」も、オンラインストアや店舗でARを活用しています。

ベイクルーズがセレクトして販売しているモダンでスタイリッシュな家具を、自宅の空間に合わせて試すことができます。

こちらもARサービス「RITTAI」の導入により実現しました。
公式URL: JOURNAL STANDARD FURNITURE AR公式サイト

(6)カリモクの家具×AR

日本の家具メーカー、カリモクの製品をARで試せるサービスで、下で紹介する「RoomCoAR」という家具ARアプリで提供されています。
人気ブランド・カリモクの家具をARで自宅に配置し、実際の見た目を確認できます。

こちらは iOSおよびAndroidデバイス / アプリケーションのダウンロードが必要で、対応デバイスもアプリに対応しているものとなります。

公式URL: カリモクAR公式サイト

(7)楽天の家具AR

大手ECモールの楽天でもAR機能の利用は可能です。

複数のARツールに対応していますが、後述する「RITTAI」は楽天に対応しており、楽天モール上でAR機能を利用することが可能です。

家具販売へのAR導入サービス2選|WebARとARアプリ

(1)RITTAI|ニトリも導入する家具ARツール、iPhoneとAndroidのARに両対応

サービス概要: 株式会社Forgersが提供する「RITTAI」は、家具・小売事業者向けのAR導入サービスです。とにかく手軽にECやカタログ・店舗にARを導入することができるサービスで、大手企業から中小企業まで幅広い企業が利用しています。
サービスの特徴: ARや3Dのシミュレーション機能が非常にリッチである点が特徴です。

ARカラーシミュレーション機能や複数配置機能など、購買効果の高い機能を多数取り揃えています。

3D家具配置シミュレーションと統合管理も可能

また、Forgersは空間・インテリアの3Dシミュレーションサービス「RITTAI ROOM」もリリースしており、RITTAIとRITTAI ROOMで3Dデータを含むすべてのデータを統合管理できる点も特徴です。

導入事例:ニトリ、ニッセン、イトーキ、ベイクルーズ(ACME Furniture / Journalstandard Furniture)、ワクワクランドなど、多くのECで利用されています。
公式URL: https://forgers.co.jp/service/rittai

(2)RoomCo AR|無印良品や大塚家具・カリモク・ニトリなどの家具AR配置アプリ

サービス概要: RoomCo ARは、インテリアを自宅の空間に配置して試せるアプリケーションで、ORC社が提供しています。
サービスの特徴: シンプルな操作性と豊富なアイテムで、理想の部屋作りをサポートしています。また、ニトリ、無印、大塚家具など多くの有名家具ブランドの商品をARで配置することができます。
公式URL: RoomCo AR公式サイト

簡単に導入できる!家具販売にARや3Dを導入するためのプロセス

①3Dデータ制作:3DCADの活用も可能

多くの家具メーカーは、製品開発の段階で3D CADを用いて設計を行っています。

3DCADデータは、AR用データに変換することで、AR体験に活用することができます。3DCADデータからAR用データへの変換は、専用のソフトウェアやサービスを利用することで自動化できます。

もし3DCADデータがない場合でも、EC上の画像や採寸のデータから制作することが可能です。1点あたりの制作費は、形状の複雑さにも依存しますが、1万円前後から制作することができます。

②AR用のURLやQRコードに変換、ECに実装・店舗やカタログでQR活用

ニトリなどが導入しているWebブラウザで体験するタイプのARであれば、ARサービスの管理画面等に①の3DデータをアップロードするだけでARを利用可能です。

管理画面から発行されるURLをコピーし、ECサイトにボタンとして実装したり、QRコードを店舗やカタログで利用すれば、そのままAR機能を導入することができます。

企業のEC担当者の方が手軽に利用できるサービスを選定すると良いでしょう。

AR導入ツールの検討項目4点

EC・カタログ等で、家具や家電をAR機能を利用して販促する場合、すでに利用ツールは以下の3点を主に比較すると良いでしょう。

1.複数AR配置機能など、ARシミュレーション機能はリッチか

決定的に成果を生むのは、3DやARシミュレーション機能がいかに豊富か、成果に直結するか、という点でしょう。

ツール利用を検討する際、

  • 複数の家具データをARで配置する機能はあるか
  • カーテン・エアコンなどを壁にARで貼り付ける機能はあるか
  • 複数のカラー・SKUパターンをシミュレーションする機能はあるか

といった点をチェックしておきましょう。

2.ARはiPhone/Androidの両対応か

AR導入ツールは意外と「AR機能を提供できるのはiOS端末のみ」といったケースも少なくありません。

対応端末がiOSかAndroidのどちらかに限定してしまうと、AR機能の利用者が大幅に少なくなり、成果が生まれづらくなります。

選定中のツール両方のOSに対応しているか、確認しておきましょう。

3.ARコンテンツの作成・管理は簡単か

ツールの利用が難しかったり、データ登録・AR活用などの運用に非常に時間がかかるツールは利用すべきではありません。

管理画面の使い勝手は事前にしっかりチェックしておきましょう。

4.家具・家電・EC領域の導入実績と価格

上記の機能・利便性をチェックしつつ、導入実績や価格といった面も確認が必要です。

家具・家電領域を中心に利用実績があるのか、価格は初期費用モデルか、月額利用モデルか、といった点を確認しましょう。

大手家具・家電導入実績多数のARツール「RITTAI」問い合わせ・資料請求

(株)Forgersが企画・開発する「RITTAI」は、家具・家電・EC領域で多数の大手企業の導入実績があります
・導入先企業例:ニトリ、ニッセン、ダイキン、イトーキ、コイズミファニテック、ベイクルーズなど

業界随一の機能性を誇り、カラーのARシミュレーション機能や、複数の家具を同時に配置する「AR複数配置機能」、カーテンの「壁掛けAR機能」などが特徴です。

例えば、ソファ、テーブル、チェアなどを同時に配置して、部屋全体のコーディネートをシミュレーションすることができるため、ユーザーの「コーディネートの幅」をECでありながらも広げることが可能です。

ARの活用をどなたでも簡単に行える独自の3Dデータ登録画面もあり、価格も月額数万円から利用可能です。

3Dのデータ制作も業界最安水準から請け負っていますので、気になる方はぜひ問い合わせしてみてください。

今後の家具・インテリア業界でのAR活用の展望

ここからは、今後の家具・インテリア業界でのAR活用の展望について、以下の2つのトピックを考察します。

1.バーチャル配置技術のさらなる活用|3D空間シミュレーターとの統合及びAIの活用

家具業界では、「RITTAI ROOM」などを筆頭に、3Dで顧客の住空間を再現し、家具を配置して理想のお部屋を作成する「3Dシミュレーションツール」が広く使われつつあります。

そういった3Dシミュレーターとのデータの統合管理・運用へのニーズは、効率化の観点から高まっていくものと思われます。

家具の3Dデータや商品データを共通で管理することで、販促や営業ツールの運用工数を削減し、それらをAIで解析し、顧客への空間・商品レコメンドを最適化していくAI活用は進行していくでしょう。

関連記事:2024年最新|スマホ・PCで簡単に使えるVRインテリアシミュレーターを紹介!

2.VR・MixedRealityデバイスで、リアルに近いバーチャル家具配置シミュレーション

近年、VRやMR(MixedReality)デバイスが多く発売されており、コンシューマー層に浸透していく未来も遠くないでしょう。

Meta社の「Meta Quest 2」「Meta Quest 3」やApple社の「Apple Vision Pro」などのデバイスでは、高精細な3DCGをVRで体験したり、MRで現実空間に頂上させる形で没入感の高い仮想体験を行うことができます。

  • VRデバイスで、仮想の自宅や理想のお部屋を構築しインテリアや内装をシミュレーションする
  • MRデバイスで、実際の自宅に仮想のインテリアを配置し、リアルなシミュレーションを行う

といった購買体験への変化が起きていくでしょう。

まとめ

この記事では、AR技術を活用した家具選びの革新的なアプローチを紹介しました。

ARや3D技術は家具の販売シーンにイノベーションをもたらす技術ですので、オンラインストアや実店舗でのAR活用にご興味がある方は、ぜひ活用を検討してみてください。

株式会社Forgersは、ARサービス「RITTAI」や空間3Dシミュレーションサービス「RITTAI ROOM」をニトリを含め多くの家具・小売事業者に提供し、XR施策を支援しています。

無料でご相談を承っておりますので、ぜひこちらからお問い合わせください。

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