住宅/リフォームのVR提案に!間取りや部屋レイアウト3Dシミュレーションサービス6選(Web/アプリ)
近年、住宅・リフォーム業界では、革新的なAR/VR/メタバース技術の活用が注目を集めています。
AR・VR・メタバース技術がもたらす新たな可能性は、顧客体験の向上から業務効率化まで、業界全体に大きな変革をもたらしています。
この記事では、そんな住宅・リフォーム業界におけるAR・VR・メタバースの活用事例とそのメリット、さらには導入の際のポイントについて詳しく解説します。
3DやAR・VR、メタバースの基礎知識
まず、各技術の特徴と住宅・リフォームでの活用シーンを整理した表をご覧ください。
技術 | 特徴 | 住宅・リフォームでの活用シーン |
---|---|---|
AR | 実際の環境にデジタル情報を重ね合わせる技術。 | お客様の実際の住宅で、リフォーム前後の比較や、家具配置・レイアウトのシミュレーションを行う |
3D/VR | 仮想の3DCG空間でシミュレーションする技術 | イラストやカタログではなく、3Dで分かりやすく住宅やリフォームのシミュレーション及び提案を行う |
メタバース | オンライン上に存在し、複数人が同時にアクセスし会話などが可能な3DCG空間 | 仮想住宅展示、オンラインでのリフォーム相談や商談 |
AR (拡張現実):家具配置や壁紙のシミュレーションに
AR技術は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせることで、リアルな体験に仮想的な要素を加えます。
住宅・リフォーム業界では、ARを利用して、実際のお客様の空間で仮想の家具や装飾品を配置したり、壁紙をARで貼り付けることで、リフォーム前後のイメージ想起をが可能です。
3D/VR (仮想現実):部屋・家具レイアウトのシミュレーション・提案に
3DやVR技術は、3DCGで仮想の空間をデジタルで構築する技術です。
住宅・リフォーム業界でにおいては、お客様の理想の住まいを3DCGでシミュレーションしVRの空間を生成。住宅やリフォームの提案を分かりやすく行うことを可能にします。
カタログやイラストなどの従来手法ではお客様と営業担当での共通認識を細かくとることは難しかった一方、立体的に顧客と部屋や間取りを提案段階からすり合わせることが可能になります。
メタバース:VR空間での商談に
住宅・リフォーム業界では、メタバースを利用して、オンライン上での住宅展示やリフォーム相談、さらには商談を行うことができます。
住宅・リフォーム業界が抱える課題と、3Dシミュレーションによる解決
3D/VR提案や設計により効果的なプレゼンテーションかつ共通認識で手戻り削減
リフォームや住宅販売はレガシーな業界であり、現在もオフラインでの提案が主流である一方で、顧客や施工業者・設計者など多くのステークホルダーが関わります。
このため、効率的なプロジェクト管理とコミュニケーションが極めて重要です。
しかし、異なる専門分野の関係者が関与するため、意思疎通の誤解や情報の非効率的な伝達が生じることがしばしばあります。
これは、プロジェクトのコスト増加や納期の遅れにつながる可能性があり、業界全体の課題となっています。
販売やリフォームでは、カタログやイラストなどで初期提案や設計を行うことも多いため、顧客のイメージと販売者側のイメージ・提案内容にギャップが起こります。
顧客も住宅提案側も、顧客の理想の家やリフォームのイメージを言葉で表現するのは難しいものです。一方で、3D・VR/AR技術を
- 初回の提案から、部屋の配置・間取りシミュレーションを3Dで行う
- 空間の設計で3Dを活用し、施工後のイメージを作成する
- 実際の顧客の住宅で、ARで家具や壁紙の設置シミュレーションを行う
といった形で活用していくことで、顧客は初期から提案側と共通の認識を持つことができます。
事業者側からすると、リアルで効果的なプレゼンを行うことができ、かつ施工以降で「イメージと違った」といった手戻り・ギャップの削減につながります。
これにより、プロジェクトの遅延や顧客の不満の削減を実現し、顧客満足度を底上げすることができます。
オンラインでの連絡がメインでもプロジェクト進行が可能に
リフォームや住宅販売はレガシーな業界であり、現在もオフラインでの提案が主流である一方で、顧客や施工業者・設計者など多くのステークホルダーが関わります。
このため、効率的なプロジェクト管理とコミュニケーションが極めて重要です。
しかし、異なる専門分野の関係者が関与するため、意思疎通の誤解や情報の非効率的な伝達が生じることがしばしばあります。
これは、プロジェクトのコスト増加や納期の遅れにつながる可能性があり、業界全体の課題となっています。
この課題に対し、3Dでの空間設計・提案やAR/VRの導入により、プロジェクトの管理とコミュニケーションが効率化されます。
例えば、VRを利用して共有する仮想空間では、設計者、施工者、顧客が同じ環境の中で情報を共有し、意見交換が可能になります。
また、実際の店舗から離れた顧客との商談・合意形成も可能に。
これにより、リアルタイムでの調整・迅速な意思決定によりプロジェクトの進行がスムーズになります。
また、メタバース内での会議やプレゼンテーションは、地理的な制約を超えたコミュニケーションを可能にし、より多くのステークホルダーのコミュニケーションを促進します。
提案の独自性を生み、競争優位性に
現在の住宅・リフォーム業界は、多くの企業が参入し、競争が非常に激化しています。
この競争の中で生き残るためには、他の企業との差別化が不可欠です。
顧客のニーズや好みは多様化しており、現在のカタログ・イラストといった提案手法では独自性に限界があります。
- 顧客への提案内容
- 過去のリフォーム実績事例
などから、自社の強み・ブランドをどのように顧客に提示するか、といった点は提案における最重要論点の一つです。
そこで、3DやVR技術を活用し、顧客のニーズを的確に吸い上げた提案を行ったり、過去の施工事例をVRで分かりやすく見せることで、顧客への興味喚起や信頼獲得に繋がり、受注確度を高めることができます。
無料版も!住宅・リフォーム業界向け3Dシミュレーション(Web/アプリ)6選
ここからは、実際のAR・VR・メタバース活用事例を6つご紹介します。
無料版あり!ニトリも導入する家具・外構や住宅/リフォーム業界向け3D空間シミュレーション(Web)RITTAI ROOM
3D・VR/AR開発スタートアップ・株式会社Forgersは最新のXR技術を搭載したインテリア・住宅・リフォーム業界向け3D空間シミュレーションツール「RITTAI ROOM」を展開しており、先日ニトリ社も導入を発表しました。
※ニトリのリリースはこちら
このサービスは、主に初期提案用。以下のような手軽に操作できるシミュレーション画面を使って間取りを作成し、壁材・床材を設定、インテリアを配置することで、3D空間を作り上げることができます。
お客様の理想の間取りを、営業担当者のような「設計知識がない方」でも手軽に3Dで空間生成し、提案できる点が最大の強みです。
上記のような画面で制作した空間は「高精細VRビューモード」で高画質レンダリングされた状態で視聴することができるため、ユーザーに対してよりリアルに空間のイメージを伝えられる点が強みです。
また、Forgers社は、ニッセン・イトーキなどにも提供しているオンライストア・カタログ向けのAR・3Dサービス「RITTAI」も開発・運営しており、RITTAI・RITTAI ROOM間で統合的なデータの管理・利用が可能、という点も特筆すべきでしょう。
RITTAI ROOMは無料トライアルあり
RITTAI ROOMは無料トライアルから利用可能です。
まずはコストをかけずに試したい方、気になる方は、以下からお問い合わせしてみてください。
RITTAI ROOMのサービスURL:https://rittai-room.forgers.co.jp/
リクシル:ARリフォーム・建具シミュレーションアプリ
「Digital Room AR」は、LIXIL Corporationが提供する、住宅リフォームのARシミュレーションツールです。
このサービスを使うことで、ご自宅のトイレ、キッチンなどにLIXILの商品を3Dイメージとして重ねて設置し、リフォーム後のイメージを簡単に確認することが可能です。
具体的には、アプリを通じて、トイレやキッチンの空間に、洗面化粧台やインテリア建材、玄関ドア、カースペース、ガーデンスペースなど、幅広いLIXIL商品の3Dモデルを仮想的に配置し、リフォーム後の姿を視覚化します。
さらに、このサービスの魅力は、複数の商品を同時に配置して、自宅のイメージに合わせたコーディネートを楽しめる点にあります。
実際の空間に仮想的な製品を配置することで、色やデザインが実際の家の雰囲気に合うかどうかを確認できます。
また、気に入ったデザインはカメラ機能を使って写真に撮影し、保存することができます。
これにより、家族や友人とイメージを共有したり、リフォームの検討材料として活用することが可能になります。
メガソフト株式会社 – 3Dシミュレーションアプリ「3Dマイホームデザイナー14」
「3Dマイホームデザイナー14」は、メガソフト株式会社が提供する家庭向け住宅デザインソフトです。
このソフトウェアは、自宅のリフォームや新築の計画を立てる際に非常に役立ちます。
マウス操作で簡単に間取りを作成し、1クリックで立体化することができます。内外装や住宅設備、家具や小物類を配置して、完成イメージを作り上げることが可能です。
さらに、日当たりや収納量のチェック、光熱費の試算などの機能も搭載されています。
特に注目すべきは、ロフトやドライエリア、ウッドデッキ、三方パラペット屋根など、流行りの設計要素を簡単に作図できる新機能の追加です。
これにより、ユーザーは自分の理想とする家づくりを、より具体的にビジュアル化できます。
JIBUN HAUS.株式会社 – クラウド型住宅プレゼンテーションツール「WARP HOME」
「WARP HOME(ワープホーム)」は、JIBUN HAUS.株式会社が提供するクラウド型住宅プレゼンテーションツールです。
このツールは、全国の工務店や住宅メーカーに向けて、営業マンによる説明のムラやDX化における制約など、住宅営業が抱える課題を解決するために開発されました。
このツールを使うことで、住宅販売の新人やプレゼンが苦手なスタッフでも、施工事例や商品・建物データを簡単に整理し、美しいビジュアルで顧客に説明できます。
また、ARを使った敷地見学機能、VRを使ったバーチャル内覧機能、土地・建築自動マッチング機能、営業力をサポートする建物プレゼン機能などが搭載されています。
新しい「建物WEB UP」機能により、工務店や住宅メーカーは自社の物件データ一覧をWEBページに簡単にアップロードできるようになりました。
これにより、お客様はいつでも、どこでも魅力的な施工事例や物件情報を確認でき、家選びのプロセスが大幅に効率化されます。
「WARP HOME」の導入により、工務店や住宅メーカーは営業プレゼン力とツールを強化し、お客様はより快適で効率的な住まい選びができるようになるという大きなメリットがあります。
株式会社VR住宅公園 – VR住宅展示場プラットフォーム「HOUPARK」
「HOUPARK」は、株式会社VR住宅公園が運営する3DCGを活用したインターネット上のVR住宅展示場プラットフォームです。
このサービスは、新型コロナウイルスの影響で変化する生活様式に対応し、注文建築の検討をオンラインで行う需要に応えるために設計されています。
「HOUPARK」では、写真品質の高い3DCGを使って、出展会社のオリジナルモデルハウスをアプリ不要で内覧できます。
従来の住宅展示場への出展に比べ、圧倒的に低コストで提供されるため、多くの工務店やビルダーにとって非常に魅力的なプラットフォームとなっています。
さらに、解説動画挿入機能により、具体的なプレゼンテーションが可能になり、営業効果が直結するものと期待されています。
また、GoogleやYahoo!などでの広告宣伝により集客を図ることができ、新しい顧客層の獲得も期待できます。
株式会社ARKLET – メタバース住宅展示場「Metavuild」
「Metavuild」は、株式会社ARKLETが開発した、設計データからメタバース展示場を作成できるシステムです。
このシステムは、従来の住宅展示場に比べ、大幅なコスト削減を実現し、ハウスメーカーや工務店が気軽にメタバース上で住宅展示場を出展することを可能にします。
Metavuildの最大の特徴は、設計で使用されるデータからわずか5分で仮想空間での展示が可能になることです。
ハウスメーカーや工務店の担当者は、管理者画面から対象となるファイルをアップロードするだけで、建築物がワールドに逐次的に生成されます。
これにより、CG制作を外注に依頼するコストを大幅に削減できると同時に、短時間での展示場の構築が可能になります。
また、MetavuildはPCやスマホからログインなしで入場可能であり、利用者はダウンロードすることなく気軽にメタバース住宅展示場を体験できます。
さらに、日照のシミュレーション機能も搭載されており、時刻に応じて太陽の位置が変化し、実際の居住空間の日照状況をシミュレーションできます。
住宅・リフォーム業界でAR・VR・メタバースを導入する際の課題点・検討事項
住宅・リフォーム業界でAR・VR・メタバースを導入する際には、以下の3つの重要な課題点と検討事項があります。
1.費用対効果を慎重に検討する
AR・VR・メタバース技術の導入は、初期投資が高額になる可能性があります。
例えば、高品質なVR機器や、ARアプリケーションの開発には相応のコストが必要です。
さらに、これらの技術を効果的に活用するためには、従業員のトレーニングやサポート体制の整備も必要です。
住宅・リフォーム業界では、これらのコストに対して、どの程度のリターンオンインベストメント(ROI)が見込めるかを慎重に評価する必要があります。
特に、小規模な事業者の場合、このコスト対効果のバランスが特に重要になります。
2.ユーザーの操作感や体験を考慮した設計を心がける
3DやXR・メタバースのツールを導入する際、使いやすさの確認は必須でしょう。
例えば、営業担当の方が3D設計ツールを導入直後から使いこなすのは至難の業であり、活用まで長い期間が必要になります。
利用者のスキルセットに応じた選定が必要になりますが、幅広い方が使うのであれば、RITTAI ROOMのように操作がシンプルで明瞭な3D空間シミュレータを推奨します。
3.プライバシーとセキュリティ対策を万全にする
AR・VR・メタバース技術の導入にあたっては、プライバシーとセキュリティの問題も重要な検討事項です。
特に、顧客の住宅に関するデータや、リフォームに関わる個人情報は慎重に取り扱う必要があります。
これらの情報が外部に漏洩した場合、顧客の信頼を失うだけでなく、法的な責任問題にも発展する可能性があります。
そのため、データの暗号化やセキュリティプロトコルの確立、従業員のプライバシー保護に関する教育など、情報保護に関する厳格な対策を講じることが不可欠です。
今後の住宅・リフォーム業界でのAR・VR・メタバース活用の展望
住宅・リフォーム業界におけるAR・VR・メタバースの活用は、今後さらに進化し、新たな可能性を開拓することが予想されます。能に
最適なリフォームプランをAIが3Dでシミュレーション・提案
AR・VR技術と人工知能(AI)の統合により、よりスマートで効率的なリフォームが実現可能になります。
AIは、過去の好みや行動パターンから学習し、最適なリフォームプランを提案することができます。
例えば、顧客が過去に「ナチュラルモダン」のスタイルを好んだ場合、AIはこの情報を基に、リフォーム計画において同様のデザイン要素を推薦します。
また、VR技術を利用して、これらの提案されたデザインを顧客が仮想空間で体験できるようになります。
このように、AIとAR・VRの融合により、より個人に合わせた、効果的なリフォームプランが提供されることになるでしょう。
まとめ
この記事では、住宅・リフォーム業界におけるAR/VR/メタバースの基礎知識、業界が直面する課題、そしてこれらの技術導入によるメリットについて解説しました。
さらに、導入時の課題点や検討事項、将来的な展望についても考察しました。
これらの技術は、顧客体験の向上、効率的なプロジェクト管理、独自性のあるサービス提供など、住宅・リフォーム業界において革新的な変化をもたらすことが期待されています。
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