業界別・VR研修/訓練の最新事例|導入方法や費用・メリットを解説

VRトレーニングは現実の環境を仮想現実で再現し、多様な業界での効果の高い教育や訓練を可能にする革新的な技術です。

本記事ではVRトレーニングの基本からその利点、具体的な導入事例、未来の展望までを詳しく解説します。

VR研修・訓練のメリットや概要

トレーニング領域へのVRの活用

VRトレーニングは仮想空間でリアルな環境を再現しながら訓練を行います。

様々なシナリオを通じて、実際の現場で必要となるスキルを安全かつ効率的に習得することができます。

VRトレーニングは、3CCG(コンピュータグラフィックス)やハンドトラッキング技術などを活用し、現実世界では危険な状況や高額な設備が必要となる訓練を、安全かつ低コストで実現できます。

例:実現医療現場での手術シミュレーション、災害時の避難訓練など

参考記事:

研修・訓練へのVR活用メリット(1)実技に近い研修が可能・高い学習効果

VR研修を活用すると、従来の座学や実技研修では得られない、臨場感や没入感の高い学習体験を従業員に提供することができます。

具体的には、以下のポイントが学習効果を高めます。

  1. 能動的なトレーニング:動画を見たり、手順書を見るといった受け身のトレーニングと異なり、実際にVRデバイスのコントローラーで手を動かし、組み立て手順や設備メンテナンスを体感することができます
  2. 危険の体感:VRで事故の恐怖体験を味わうことで、従業員の事故への意識を高める安全喚起トレーニングが可能です
  3. 汎用性:場所や時間にとらわれず、VRデバイスさえあれば何度でも繰り返し練習できるため、効率的な学習が可能

※関連記事:VR/ARで実現する革新的な安全教育|製造・建設・物流業の事例・費用

研修・訓練へのVR活用メリット(2)コストカット

実際に手を動かすOJT型のトレーニングを行う場合、高額な設備投資が必要になります。

一方で、VR研修であればVRデバイス・ソフトウェアさえあればどこでも学習することができます。

  • 3DCGの制作費(3DCADを流用することは可能です)
  • VRアプリケーションの開発費
  • VRデバイス代

を合算しても、設備投資よりは大幅に安価で制作できるケースが多いはずです。

研修・訓練に利用すべきVRデバイス

当社が推奨するVRデバイスは、Meta Quest 2・Meta Quest 3の2機種です。

Meta Quest 2

  • 価格・導入コストの観点:Meta Quest 2は、比較的手頃な価格で提供されており、スタンドアロンで動作するため、PCや高性能な外部機器が不要です。これにより、初期投資が少なく済むため、個人や企業での導入も容易です。
  • デバイスの互換性・普及率の観点::世界的に広く普及しており、多くのアプリケーションやコンテンツが対応しているため、研修やエンタメ、ゲームなど幅広い用途で使用可能です。特に、企業向けのトレーニングソリューションや教育アプリも数多く揃っています。
  • 性能・操作性の観点: ワイヤレスで使えるため、設置や使用が簡単です。また、Metaのサポートも充実しており、ユーザー体験も良好です。

関連記事:【完全ガイド】Meta Quest 2の特徴と使い方|Meta Quest 3との違い・アクセサリー・出来ることを徹底解説

2. Meta Quest 3

  • 価格・導入コストの観点: Meta Quest 3は、Quest 2に比べると少し高価ですが、依然として競合他社の高性能VRデバイスに比べるとリーズナブルな価格です。特に性能の向上を考えるとコストパフォーマンスに優れています。
  • デバイスの互換性・普及率の観点: Quest 2と同様にMetaのエコシステムに属しており、コンテンツの互換性があるため、アップグレードした際にもスムーズに移行できます。Quest 2ユーザーも多いことから、企業内での導入においても安心感があります。
  • 性能・操作性の観点:Quest 3は、視野角やディスプレイの品質、処理性能が高くしているため、よりリアルな体験を提供できます。特にビジネスやトレーニング用途での没入感が重要なシーンでは、パフォーマンスの向上が大きなメリットとなります。

関連記事:【最強コスパ・高すぎる完成度】Meta Quest 3を徹底解説|Quest 2との比較・特徴・何ができる?

研修・訓練VRコンテンツの導入費用

VR研修の導入コストは、大きく以下の通りとなります。

  • 3DCGの制作費:組み立て・操縦を行う3Dデータの制作費を指します。1設備に対して、数十万円程度は発生するでしょう。
  • VRコンテンツの制作費:上記の3Dデータを用いて、トレーニングを行うアプリを開発する費用です。インタラクション(=ユーザー操作)の数次第ではありますが、100万円〜程度から開発可能です。
  • VRデバイスの購入費:3~10万円程度/1台

VR研修・訓練の開発会社

当メディアの運営元・株式会社Forgersは、製造・通信・小売業など幅広い業界の企業に対して、VR/ARやデジタルツインの実装・コンサルティング支援を行ってまいりました。

様々なVR/ARデバイスを用いて、NTTドコモ、アイシン、ニトリ、NTT東日本などのXR開発や、大手化学メーカーの「工場のデジタルツイン化」も支援しております。

XRを活用した研修・トレーニングアプリの企画・設計や開発も行いますので、内容や費用に少しでもご興味がある方は、こちらからご相談ください。

VRトレーニングの活用事例5選

1.製造業のVR・XR研修事例

製造業では、VRトレーニングを安全教育、品質管理、生産性向上などに活用することができます。

例えば、VRを使って新製品のの組み立て作業の訓練を行ったり、VR空間で実際の製造ラインと同じ環境を再現して作業手順や安全対策を学ぶ…といったことができます。

また、VRトレーニングは、熟練工の技術を、若手社員に効率的に伝承する手段としても活用されています。熟練工の動きをモーションキャプチャで記録し、VR空間で再現することで、若手社員は、熟練工の技術を間近で学ぶことができます。

製造業・工場におけるVR活用事例はこちら→【2024年最新】製造業・工場のVR活用事例と導入プロセス・費用

川崎重工業のVR研修

川崎重工業は、実際の操縦装置とVRデバイスを組み合わせた、ヘリコプター操縦VRトレーニングコンテンツを提供開始しました。

悪天候・夜間天候や故障シナリオもトレーニングに組み込み、臨場感やシミュレーションに富んだVRトレーニングが可能で、ヘリコプター製造と並行してVR訓練サービスを展開し、航空機の運行における安全性の向上を目指すとのことです。

プレスリリースはこちら

関連記事:【製造業・工場のAR/MR/VR活用事例】メリットや導入のポイントを解説

2.建設業界・安全喚起向けのVR研修事例

VRを使うと、高所作業や重機操作などの安全教育を行うことができます。VR空間では、実際に高所作業を行うような感覚を味わうことができ、安全意識を高めることができます。

例えば、スウェーエデンの建設企業・Skanskaは、安全性向上を目的としたVRトレーニングアプリを開発しています。

このアプリは、建設現場での安全性をシミュレートし、従業員が危険な状況を仮想環境で体験しながら安全対策を学ぶことができ、リアルな現場での事故を防ぎ、トレーニングの効果が大幅に向上したそうです。

参考記事:VR でリスクを軽減し、作業者の安全性を高める
関連記事:【設計や施工シミュレーションにも活用!】建築・建設業界のVR/メタバース活用事例|導入のメリットやポイントを解説!

3.小売業界のVR研修事例

小売業界最大手・ウォルマートはVRを活用した研修を導入しました。

ウォルマートは1万7000台のVRデバイスを各店舗に配布する計画を発表しており、

  • 店舗での各種機材の使い方
  • 顧客対応

など、幅広い教育コンテンツをVR化するとしています。

4.医療業界のVR・XR研修事例

医療分野では、VRトレーニングが、手術シミュレーション、医療従事者の教育、患者のリハビリテーションなどに活用されています。

例えば、外科手術の訓練では、VRを使って、実際の患者と同じような状況で手術の練習を行うことができます。VR空間では、患者の臓器や組織をリアルに再現し、手術の難易度やリスクを理解することができます。

MRを活用した医療業界向けトレーニングシステムの開発

株式会社Forgersは、NTTコノキューが提供するMixed Reality(MR)技術を使用した医療向け遠隔支援サービス「Project the Hands」の開発を担当しました。

この取り組みは、指導医と術者の両者はMRデバイスを装着し、3Dのバーチャル情報として表示される手や道具を用いて、手術の訓練や指導を行うものです。

熟練医師の技術・知見をデジタル化し、効果的に若手に伝承することを目指しています。

関連記事:【医療分野におけるAR/MR/VR/メタバース】導入メリットや活用事例を紹介!

まとめ

VRトレーニングは、今後も進化し続け、より多くの分野で導入されることが期待されています。

特に、データベースの利活用や5GやAIなどの最新技術との連携により、より高度化し、より効果的でパーソナライズされたものになっていくでしょう。

当メディアの運営元・株式会社Forgersは、様々なVR/ARデバイスを用いて、NTTドコモ、アイシン、ニトリ、NTT東日本などのXR開発や、大手化学メーカーの「工場のデジタルツイン化」も支援しております。

XRを活用した研修・トレーニングアプリの企画・設計や開発も行いますので、費用・支援内容など気になる方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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